はじめに
このガイドについて
このガイドは、Web サイトの 1 ページに JSON-LD 形式の構造化データ を実装するための体系的なリファレンスです。Google Search Central と schema.org の公式仕様を一次ソースとし、「実装時にどの型を、なぜ選ぶのか」 という判断プロセスに焦点を当てています。
ありがちな「コピペで使える JSON-LD サンプル集」ではなく、読者が 自サイトに当てはめて応用できる思考の型 を残すことを目的としています。
想定読者
- 自社サイトに構造化データを実装することになった Web 開発者
- リッチリザルトや検索エンジンの理解を高めるための SEO 対応を技術側から担当する人
- 公式仕様を読み込んだうえで、判断根拠付きで実装したい人
逆に、「とりあえずコピペで動くもの」が欲しい場合は、Google Search Central のサンプルライブラリを直接参照する方が早いです。
このガイドで扱う実装例
業務でコーポレートサイトの 1 ページに JSON-LD を実装した経験を、社外公開可能な汎用例として再構成しました。
題材: 架空の B2B SaaS 「Acme Workflow」のサービス紹介ページ
- ルート型:
WebPage - 主題 (mainEntity):
Service - 提供者 (provider):
Organization(架空の Acme Inc.) - 対象 (audience):
Audience/BusinessAudience系 - 提供地域 (areaServed):
Country(Japan) - 親サイト参照 (isPartOf):
WebSite
業界文脈や会社名は出しません。Service / Audience / Country の組み合わせ自体は、コンサル業 / SaaS / 専門サービス業の多くで応用できる構造です。
学習順序
ガイドは 4 章構成です。順番に読むことを推奨しますが、用途別に章を行き来できる作りにしています。
| 章 | 内容 | 主な読者 |
|---|---|---|
| 01. 基礎 | 構造化データ / JSON-LD / schema.org Data Model | 初めて学ぶ人 |
| 02. Google ガイドライン | 推奨ポリシーと禁止事項、JSON-LD 推奨の根拠 | 実装前に押さえる |
| 03. 型選定の判断プロセス | WebPage / Service / Organization 等の選定根拠と汎化された決定木 | 本ガイドの中核 |
| 04. 実装 + 検証 + 運用 | 完成 JSON-LD と Rich Results Test、継続運用 | 実装着手者 |
中核は 03 章 (型選定の判断プロセス) です。「自分のサイトでは何を使えばいいのか」に答える章なので、時間がない場合はここを起点に前後を参照する読み方も可能です。
参考にした公式仕様
本ガイドは以下を一次ソースとしています。本文中でも該当箇所で都度リンクします。
Google Search Central (構造化データガイドライン)
- General Structured Data Guidelines (確認: 2026-05) — 構造化データ全般のポリシー
- Intro to How Structured Data Markup Works (確認: 2026-05) — 基礎と JSON-LD 推奨理由
- Organization Schema Markup (確認: 2026-05) — Organization 表現の根拠
- Google Rich Results Test (確認: 2026-05) — 妥当性検証ツール
schema.org (型仕様)
- Schema.org Data Model — 型と関係性の全体像
- WebPage — ルート型
- Service — mainEntity の型
- Organization — provider の型
- mainEntity — ページ主題プロパティ
- isPartOf — 親 WebSite への参照
- Audience — 想定利用者の型
- Country — 提供地域の型
既存ガイドとの位置づけ
本サイトには複数の体系学習ガイドがありますが、本ガイドは SEO / 構造化データの実装 という独立した守備範囲です。クリーンコード入門 や TypeScript Master Guide のような「言語・設計のリファレンス」とは並列の独立シリーズとして読めます。
このガイドが採用している規範
長期参照価値を維持するため、執筆時に以下の規範を採用しています。
- 外部リンクには「(確認: 2026-05)」を併記し、リンク切れ時の更新判断材料を残す
- Web UI のスクリーンショットは最小化し、本文は UI 非依存記述に統一する
- Google ガイドラインは具体 URL の引用より「方針の精神」を要約する (URL 構造の改廃に強い記述にする)
@contextはhttps://schema.orgを使用する (古い記事のhttp://例との混乱を避ける)
次章から始めます。まずは 01. 基礎 で構造化データの全体像と JSON-LD のシンタックスを押さえましょう。